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Interview 44 - 集中ケア認定看護師

迅速な情報分析から
その後の状態変化を的確に推察する。

まわりからの想像以上の期待に応えられる存在になる。

　東京都八王子市で、南多摩地区の地域医療を担う東海大学医学部付属八王子病院に入職以来、ICU・CCUに勤務している尾崎裕基さん。その目の前にはいつも、集中ケア認定看護師である先輩がいたという。「新人の頃から、集中ケアのキャリアモデルとも言える認定看護師の先輩の近くで働けたことは、良い経験でした。いつも目標であり、いずれは一緒にICUを支えられるような存在になりたいと思っていました」と語る。
　2016年に認定看護師資格を取得したことで、今までより仕事量は増えた尾崎さんだが、それ以上にまわりから頼りにされることがやりがいとなっている。「自部署はもちろん、他部署を含むまわりからの認定看護師への期待は想像以上でした。もともと教えることが好きでしたので、自分が得た知識や技術を還元していくことは楽しいです」。例えば、人工呼吸器の取り扱い方や患者さんへのケアについてコンサルテーションを行い、アドバイスする機会は多い。その関わりによって患者さんの回復が促進した時の手応えは大きいという。

全国に誇れるICUを目指して。

　小児から高齢者までの救急・重症医療を必要とする患者さんが運ばれてくるICUには、自らの思いを声にして発することのできない患者さんが多い。無言の訴えをバイタルサインや身体のわずかな反応から読み取る観察力と、根拠に基づいたアセスメント能力が、集中ケア看護には特に求められる。ICUの看護師たちは、患者さんの身体内で何が起きているのか、呼吸器・循環器・脳神経系の領域から総合的にアセスメントし、医師や看護師と協働しながらチーム医療を実践する。「病棟では、看護ケアで困ったら“集中ケア（認定看護師）”に聞け！と言われているそうです。見方を変えると、私たちは何でも屋さんかも知れません」と、嬉しそうに笑う。院内でも頼もしい存在なのだろう。新人看護師のフォロー研修やフィジカルアセスメントコースで指導に関わることも増えてきた。
　一方で、尾崎さんは日本でも導入する病院が増えている『急変に対応する初動チームRRT（Rapit Response Team）』のメンバーでもある。チームはERやICU・CCUの看護師を中心に20名ほどで組織横断的に活動できるように編成されている。病棟からの要請に応じて、危機的状態にある患者さんに、専門チームがタイムリーに介入することで命を救う。ある人工呼吸器をつけた患者さんから「尾崎さんだと安心する」と筆談された時は、この領域の看護師で本当に良かったと実感したという。今後は後継者を育成することと、病院全体の看護の質的向上に貢献することが課題。そして、最終的には『全国に誇れるICUを作りたい』と、力強く語ってくれた。

患者さんの早期回復に向けて、部署内でのカンファレンスを行い、ケアプランの見直しや早期リハビリの開始時期を検討する

尾崎 裕基さん

2009年4月入職
ICU・CCU勤務

1日のスケジュール

8：30

夜勤からの申し送り

8：45

医療機器・モニター点検、環境整備、患者さん対応、処置介助、検査搬送、離床訓練の検討と実施

11：00

リーダーとカンファレンス、
交代で昼食へ

12：00

離床訓練の検討と実施、マウスケア、患者さんのケア調整、ベッドサイドで受持ち看護師とケアプランの見直し、手術室より術後の患者さん受け入れ

15：30

環境整備、物品補充、
リーダーとカンファレンス

16：00

夜勤への申し送り

16：30

終業