先輩が語る分野別 看護の魅力

先輩が語る分野別 看護の魅力

「どんな看護師になりたいのか」を自分自身に何度も問いかけながら、就職活動を進めていく皆さん。先輩たちも悩みながら自分の理想の看護師像を思い描き、看護師として活躍の舞台に旅立っています。さまざまな分野で活躍している先輩たちに各診療や看護の特徴や魅力、印象に残っている言葉を語ってもらいました。先輩たちの声を参考に、ここからあなたの理想の看護師像を見つけてください。

Interview 41 - がん化学療法看護認定看護師
治療を継続しながら
その人らしい生活をして欲しい。

自分を励ましてくれた言葉は今も大事。

 年間1,000例を超える消化器の外科手術を行うほか、仙台圏の高度救急医療の一端を担っている救急センターを有する仙台オープン病院。この病院の外来療法室に勤務し、がん化学療法看護認定看護師として活躍している菅原美和さん。抗がん剤を用いた治療は、副作用がついてまわる。看護師はそれを緩和するとともに、セルフケアをサポートすることが求められる。告知を受けた患者さんのその後の人生に大きく関わるため責任は重大だ。そんな仕事をしている菅原さんは、どのような看護師なのだろう?
 「私、突っ走っちゃうタイプなんですよね」と話す彼女は、いつも自分の思いに素直で患者さんを思う心もまっすぐだ。『思い込んだら迷わず進む!』という菅原さんだが、思い込むまでに自分の発言や行動について悩むことも多いという。過去には看護師として自信を失ったこともある。そんな時に支えられたのが、先輩がくれた1枚のカード。そこには「これでいいのかって思いながらでも、自分を信じて進むことも必要。大丈夫。みんな分かっているから」と書いてあった。

認定看護師のスキルを生かした関わり。

 治療回数が決まっている術後補助療法であればゴールが見える。しかし、副作用が強すぎて継続できない患者さんもいる。菅原さんは、日常生活をおびやかすまでの苦痛は取り除いてあげたいと、医師に内服に切り替える提案をすることもある。それができるのは、認定看護師としての知識があるからだ。皮膚トラブルも多い抗がん剤治療はセルフケアが重要になる。特に男性はケアを怠ることが多い。化学療法は本人が治療の重要性を理解し、納得し、治療をしていくことが大事。菅原さんは良くなって欲しいという思いとともに専門的な知識をフル活用し、ケアや治療の必要性を伝える。結果、良くなっていく過程を一緒に喜べることがやりがいにつながっている。
 菅原さんに「外来に来るのが楽しみ」と言った患者さんがいる。時として治療は効果が得られるまでエンドレスに続く。患者さんの不安は相当なものとなるが、周囲や家族に心配させたくないという思いも生まれる。家族、特に子どもの前では精一杯元気な母親でいる方が、菅原さんの顔を見た途端、泣き出してしまうことも。自分を分かってくれる人がいる。それはとても心強く、安心だ。「ちょっとしたことでも話を聞きたい」と菅原さんは言う。会話をすることで、その人の思いや考えを知ることができ、治療にも役立つ。化学療法はつらく、気持ちがふさいでしまうことも多い。そんな時には「旅行にでも行ってみて」と励ます。その人がその人らしく生活できるよう、菅原さんは今日も、誠意を持って患者さんに寄り添っている。

現在、院内の認定看護師は14名。それぞれ専門の立場から患者さんをケアするとともに、連携を取ることも多い

カンファレンスの様子
菅原 美和さん

菅原 美和さん

2003年4月入職
外来療法室勤務

1日のスケジュール

8:30
ミーティング
患者さん採血、問診
10:30
与薬管理
与薬管理しながら翌日準備(ワークシート)
11:30
食事
12:30
診察同席
13:30
患者さん介入
14:00
化学療法導入患者さんへのオリエンテーション、与薬管理、記録、スタッフ指導
17:00
終業

仙台オープン病院

仙台オープン病院

〒983-0824 宮城県仙台市宮城野区鶴ケ谷5-22-1
担当/総務課人事係
TEL(022)252-1111
http://www.openhp.or.jp
e-mail : jinji@openhp.or.jp


消化器・循環器・呼吸器に特化した医療を中心に内視鏡や心臓カテーテルによる高度な検査、治療、外科手術を行う高度専門病院。また、救急センターはER型で各診療科のバックアップ体制が整っており、365日24時間体制で仙台圏の高次救急医療を担っている。全国初の『地域医療支援病院』でもあり、高度な水準の医療、環境を整え、地域住民の健康を守っている。オープン・システムを取り入れ、院内の医療機器や病床は共同利用施設として登録医と共に診療が行われている。

特に求められる能力

    観察力:
    症状の変化を見逃さないために患者さんのことをよく知り、変化にいち早く気づく。
    判断力:
    最終判断は医師だが副作用による休薬や減量を看護師の立場からも見極める。
    コミュニケーション能力:
    しぐさや会話の中から、その人の思いや考えを引き出していくための気づきや配慮が大切。

主要疾患:
大腸がん、胃・膵・胆・肺がん

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