先輩が語る分野別 看護の魅力

先輩が語る分野別 看護の魅力

「どんな看護師になりたいのか」を自分自身に何度も問いかけながら、就職活動を進めていく皆さん。先輩たちも悩みながら自分の理想の看護師像を思い描き、看護師として活躍の舞台に旅立っています。さまざまな分野で活躍している先輩たちに各診療や看護の特徴や魅力、印象に残っている言葉を語ってもらいました。先輩たちの声を参考に、ここからあなたの理想の看護師像を見つけてください。

Interview 25 - リハビリテーション看護
患者さんのやる気を引き出し、医師、介護福祉士、
リハビリスタッフと協働する喜び。

患者さんのゴールを予測し、
今、大切なことは何かを判断する。

 茨城県牛久市にあるつくばセントラル病院の回復期リハビリテーション病棟で働く川又みどりさん。学生時代から興味のあったリハビリ看護を3年経験した今、改めて看護の楽しさを感じているという。患者さんは主に脳血管疾患や整形疾患でリハビリを必要とする方で、地域の急性期病院から紹介されてくる。川又さんは、「リハビリ看護には、患者さんの残された機能を生かしてADLおよびQOLを向上させるため、患者さんのやる気を引き出すことと手を出しすぎずに見守ることが求められます」と言う。さらに、患者さんの退院後の日常生活を考慮し、個別性に合わせて援助する。例えば、畳の部屋で過ごしてきた高齢の患者さんには、ベッドではなく床に敷いたマットレスからの立ち上がり方を訓練してもらうのもそのひとつ。患者さんの退院後の延長線上にある日常動作を予測したリハビリであるかどうかが、大切な視点となる。そのためには、医師をはじめ看護師や介護福祉士、PT・OT・ST等のリハビリスタッフからの専門的な意見や情報交換を通してこそ的確な支援ができるという。川又さんの病棟では、毎朝10分程度ではあるがリハビリスタッフとの合同の申し送りは欠かせない。「私、他職種の方とカンファレンス等で意見交換するのが好きなんです。お互いの専門性を生かしながら、患者さんのゴールを設定して、援助計画を立てる。その計画に沿って目に見えて変化していく様子を共有できるのは、リハビリ看護ならではの喜びだと思います」と川又さん。これら『多方面からの視点』と、今何が必要か、将来何が役立つかなどの『予測する視点』をもつことが、リハビリ看護の特徴だ。

退院後訪問による
振り返りをその先の看護につなぐ。

 また、退院後の自宅環境を把握するための家屋評価や、退院後の生活状況を調査し、指導内容の評価を行うための退院後訪問も実施している。「退院後3ヵ月くらいの頃にアンケートを実施し、そのうえで訪問可能な場合は、担当した看護師やリハビリスタッフなどのチームで出かけて行きます。私も3回くらい行きましたが、訪問すると良くなっている方ばかりとは限らず、自分たちの行ったケアを振り返ることができ、とてもいい刺激となっています」(川又さん)。全国でもまだ退院後訪問を実施している病院は少ない。退院支援に力を入れている同業他施設からの注目度も高く、学会等で病院として発表した実績もあるという。一昨年から開始したこの訪問活動は、川又さんたちの看護ケアやリハビリを振り返るだけでなく、患者さんのその後を支えるために役立てることが大切。もっと地域の施設と連携を図り、訪問リハビリ等へとつなぐことが今後の課題だという。
 将来のことについて川又さんは、「認定看護師や専門看護師としてのキャリアアップも考えつつ、今はチームナーシングを通して、後輩スタッフたちが働きやすい環境を作り、リーダーとして動いていくことに精一杯取り組んでみたい」と、胸の内を語ってくれた。

川又 みどりさん

川又 みどりさん

2011年7月入職
回復期リハビリテーション病棟勤務

心に残るひと言

クモ膜下出血で入院されたある患者さんの退院日が決まった日、毎日リハビリを支え続けて来た娘さんと一緒に「皆さんのお陰で今日まで来られました。正直、ここまで良くなるとは思いませんでした」と、お礼を言われたことがあります。この方は誰よりも回復しようという意欲があり、チームで継続的にリハビリを行うことでADLやセルフケア能力の向上が顕著に現れました。私にリハビリ看護の魅力を改めて気づかせてくれた出来事です。

カンファレンスの様子

それぞれの専門性を生かしながら行われる病棟でのカンファレンスには、お互いに学ぶ姿勢が必要

1日のスケジュール

8:30
ナース・リハビリスタッフ合同申し送り
8:40
ナース申し送り
9:30
ミニカンファレンス
11:30
休憩(13:30までの間に交替でとる)
14:00
遊びリテーション・棟内リハビリ
16:30
夜勤者への申し送り
17:30
日勤業務終了

つくばセントラル病院

つくばセントラル病院

〒300-1211 茨城県牛久市柏田町1589-3
担当/人材広報課
TEL(029)872-1771(代)
http://www.central.or.jp/
e-mail : kouhou@central.or.jp


茨城県南部に位置する緑豊かな牛久市で昭和63年に設立された地域に根ざした病院。開設以来、『良き治療、良き看護、生命の創造』を理念に掲げ、地域に密着した医療と福祉の複合体づくりを展開している。2013年10月には特定医療法人から社会医療法人になり、より公益性の高い病院として活動している。2007年にオープンした回復期リハビリテーション病棟は、地域に根ざしたリハビリテーションの中核として、他病院からの紹介患者さんに地域連携パスを導入して、スムーズな受け入れを行っている。

ここの看護に注目!

患者さんの残された機能を生かしてADLを向上させるため、患者さんとそのご家族を中心として、医師はじめ看護師、リハビリスタッフでチームを組み目標設定をして、援助計画を立てていく。手を出しすぎず、患者さんのできることを引き出すための声かけや関わり方が重要となる。

主要疾患:
脳血管疾患、整形疾患、廃用症候群 など

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