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8月

「疾病の成り立ちと回復」

『疾病の成り立ちと回復の促進』は、病理学、薬理学、微生物学の範囲から出題され、苦手意識を持ちやすい科目ですね。よく出る問題の傾向も押さえましょうね。
先月に引き続き、今月も50問の○×夏休み特訓問題がありますので、その問題からもさらに気になるところは落とし込んでいきましょう♪

  • 問題1
  • 問題2
  • 問題3
  • 問題4
  • 問題5
  • 問題6
  • 問題7
  • 問題8
  • 問題9
  • 問題10
  • コラム

問題1

熱中症について正しいのはどれか。
  • 1. 要因は、高温だけではない。
  • 2. めまい、筋肉痛などが生じたら入院が必要となる。
  • 3. 臓器障害までは起こさない。
  • 4. 予防のためには口渇があればすぐに水分摂取を促すようにする。


解答の上にマウスを合わせると解答をご覧いただけます

問題のポイント

熱中症は、状況設定問題では頻出です。病態および治療・看護までしっかり押さえておきましょう。



解説

  1. ◯…熱中症は、高温・多湿・無風環境下で起こりやすく、労作時では熱産生亢進も要因となる。
  2. ×…意識障害を伴わないめまい・筋肉痛・大量の発汗等は熱中症Ⅰ度であり、通常は医療機関への受診は不要で現場での対応可能である(check & check参照)。
  3. ×…脱水・循環失調・体温調節機序の破綻(うつ熱=高体温)による臓器障害が主体である。
  4. ×…熱中症予防として、口渇がなくても水分を摂取することが大切である。


Check & Check

■ 熱中症の分類

日本救急医学会 熱中症分類2015
  症状 重症度 治療 臨床症状
からの分類
Ⅰ度
(応急処置
と見守り)
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、意識障害をみとめない 通常は現場で対応可能→冷所での安静、体表冷却、経口的に水分とNaの補給 熱けいれん
熱失神
Ⅱ度
(医療機関へ)
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下 医療機関での診察が必要→体温管理、安静、十分な水分とNaの補給(経口摂取が困難なときには点滴にて) 熱疲労
Ⅲ度
(入院加療)
下記の3つのうちいずれかを含む

①中枢神経症状(意識障害、小脳症状、けいれん発作)

②肝・腎機能障害(入院経過観察入院加療が必要な程度の肝または腎障害)

入院加療(場合により集中治療)が必要→体温管理(体表冷却に加え体内冷却、血管内冷却などを追加)、呼吸、循環管理、DIC治療 熱射病

③血液凝固異常(急性期DIC診断基準〔日本救急医学会〕にてDICと診断)→Ⅲ度の中でも重症型



■ 熱中症の治療と看護

うつ熱の場合、高熱時に体内で産生される発熱物質(プロスタグランジン)を抑制する作用のある解熱薬は無効である。そのため、物理的手段で体温を下げる必要がある。
① 深部体温(核心温)とバイタルサインから全身状態を把握する。
※深部体温は、直腸、膀胱、食道、鼓膜などで測定する。
② 冷涼な環境に移す。
③ 体温の低下をはかる。
腋窩・鼠径部など体表に近い動脈を氷嚢で冷やす。全身を水で濡らし、扇風機で気化熱を奪うなど。
④ 意識障害を呈した場合は集中治療が必要となる。深部体温38℃までは急速(1℃/10分)に冷却する(胃・膀胱・腹腔・胸腔洗浄による体腔冷却法、冷やした輸液による冷却、クーリングブランケット法など)。
⑤ 予防のためには、口渇がなくても水分を摂取するよう説明する。

問題2へ

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