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■ 感覚機能の変化

① 視力

・調節力の低下（40歳以降自覚、水晶体の弾力性低下、毛様体筋の緊張性低下）、羞明、暗順応の低下（虹彩の弾力性低下、網膜の視細胞減少）、視野の狭窄（眼瞼下垂、網膜の神経細胞減少、視覚伝導路の機能低下）、色覚の低下。

・老人性白内障などにより、視力は60歳以降急速に低下する。

② 聴力

・聴力の低下は高音域より始まる。

・語音の弁別能力も低下する。

③ 体性感覚

・触覚・痛覚・温度覚などの表在感覚の低下。

・振動覚・関節位置覚などの深部感覚の低下。

・内臓感覚の低下。

■ 生理機能の変化

① 脳

・脳の重量減少（脳の萎縮）。

・脳の血管の弾力性の低下（脳動脈硬化）。

② 循環機能

・心拍出量の低下（ポンプ機能の低下） ・動脈硬化、収縮期血圧の上昇、脈圧増大、左心室肥大 ・血管内腔の狭窄、末梢血管抵抗の増大

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心機能低下

・心臓は、老化により弾力性が低下した心筋を用いて、抵抗性の増した血管へ血液を送り出すために、その代償として肥大・肥厚する。

③ 呼吸機能

・肺の萎縮、弾力性の低下、胸郭運動の低下により換気能が低下し、残気量が増大する。肺活量、分時最大換気量の低下（全排気量は変化しない）。

・咳嗽反射、気道粘膜の線毛運動の低下により、痰喀出力が低下する。

・肺毛細血管の減少により、動脈血酸素分圧（PaO2）が低下する。

④ 消化機能

・歯牙の脱落（う歯、歯槽膿漏が原因）。

・口腔の乾燥、自浄作用の低下。

・唾液、胃液、胆汁、膵液などの分泌量の減少。

・咀嚼機能の低下（咀嚼筋・顎関節の老化）、嚥下反射の低下（嚥下筋の筋力低下）。

・食道の蠕動運動の収縮力の低下、腸の蠕動運動の低下。

・味覚の低下※（舌乳頭や味蕾の数の減少、味細胞機能の減退など）。
※加齢により味覚は低下しないという説もある。

・嗜好の変化（舌や口腔粘膜の温度覚、触圧覚の減退）。

・腸管平滑筋の萎縮・平坦化、腹圧の低下、直腸壁の感受性低下による排便反射の減退。

⑤ 内分泌機能

・増加するホルモン…卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、副甲状腺ホルモン　など

・減少するホルモン…成長ホルモン、レニン、テストステロン、エストロゲン、カルシトニン、メラトニン　など

・分泌量がほとんど変化しないホルモン…副腎皮質ホルモン（コルチゾル）
（参考：アンドロゲンは軽度減少する。）

⑥ 腎・排尿機能

・腎皮質機能：糸球体の濾過・排泄作用の低下。

・腎髄質機能：尿濃縮能・希釈能の低下。

・膀胱頸部の拘縮、膀胱括約筋の硬化、前立腺の肥大により通路障害、排尿障害（残尿・頻尿・排尿困難・失禁・尿閉）が起こる。

・腎血流量の低下。

⑦ 造血機能

・赤血球・ヘマトクリット値・ 　ヘモグロビン量の低下 ・血清鉄、鉄結合能の低下

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貧血傾向 （鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血など）

・感染症による白血球の増加はしないことが多い。

■ ハヴィガーストの発達課題（老年期）

■ せん妄の診断基準

■ せん妄の治療と看護

① 原疾患の治療を最優先する。

② 環境を整え、睡眠覚醒リズムをつける。

③ 夜間せん妄は暗くすることで悪化するため、夜間も照明をつけたままにする。

④ 薬物の見直し。

⑤ 患者への言動は安心感を与えることが必要である。

⑥ 短期間作用型睡眠薬や抗精神病薬が有効な場合がある。

■ 成年後見制度

【1】法定後見制度

法定後見制度とは、家庭裁判所の選任する成年後見人・保佐人・補助人が、本人（成年被後見人・被保佐人・被補助人）の代理として契約や同意などを行ったり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を、一定の条件の下、後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援する制度である。

（1）法定後見制度の種類

本人の判断能力の状態によって後見、保佐、補助に分類されている。

①後見…本人に判断能力がほとんどない場合

②保佐…判断能力が著しく不十分な場合

③補助…判断能力が不十分であるが保佐人を付けるほどではない場合
※後見人等には、本人の親族、法律・福祉の専門家、社会福祉法人などが選ばれる

（2）後見開始の申立

法定後見制度の開始を希望する場合、本人・配偶者・4親等以内の親族等が家庭裁判所に審判を申立てる必要がある。身寄りがない場合は、市町村長が申立てを行う。

（3）後見人等の役割

本人の生活や医療・介護などについて保護・支援する。ただし、後見人等の職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られており、食事の世話や実際の介護などは、一般に後見人等の職務外とされる。

【2】任意後見制度

任意後見制度は、「任意後見契約に関する法律」を根拠とする制度で、本人の判断能力が十分あるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ代理人（後の任意後見人）に、自分の生活や財産管理について代理権を与える契約（任意後見契約）を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものである。

■ 日常生活自立支援事業

【1】実施主体

都道府県社会福祉協議会・指定都市社会福祉協議会（窓口業務は市町村社会福祉協議会等で実施）

【2】対象者

認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な者（ただし、本事業の契約の内容について判断する能力を有している必要がある）。

【3】援助内容

福祉サービスの利用援助、苦情解決制度の利用援助、住宅改造・居住家屋の貸借・日常生活上の消費契約および住民票の届出等の行政手続に関する援助等、日常的金銭管理、通帳・権利書、印鑑の保管など。初回の相談・支援計画の策定は専門員が、具体的な援助について生活支援員が行う。

【4】利用料

援助を受ける利用者が負担
（生活保護世帯等は無料）

■ 障害高齢者の日常生活自立度（寝たきり度）判定基準

■ 疥癬

（1）症状

　疥癬虫（ヒゼンダニ）の寄生によって発生する。手指・指間の線状疹が特徴である。また、腹部・大腿・陰部など、皮膚が柔らかい部分に赤い丘疹や小水疱・小結節・膿疱ができ、身体が温まったときに掻痒感が強くなる。ノルウェー疥癬では、通常疥癬では侵されない頭部、頸部、耳介部を含む全身に角質増殖がみとめられ、全身の皮膚が紅潮する紅皮症状態を伴うこともある。

（2）対応

　感染経路は、直接的接触（患者の皮膚）と間接的接触（患者の使用している寝衣・寝具・衣類など）である。身体を清潔に保ち、身につけるもの（寝衣・寝具・衣類）は毎日交換する。寝具などは直射日光に当てることも有効である。
　ノルウェー疥癬では治療開始後1〜2週間は個室隔離が必要である。

（3）治療

　通常疥癬患者では、皮疹の無い部位を塗り残さないように、外用剤は頭部以下の皮疹の無い部位を含めた全身に塗布する。特に指間部、外陰部、殿部などに塗り残しがないようにする。ノルウェー疥癬患者には顔面、頭部も含めて全身に塗布する。なお、乳幼児・高齢者では通常疥癬であっても顔面、頭部も含めて全身に塗布する場合がある。
　疥癬の治療薬は、保険適用のあるものはイオウ外用薬とイベルメクチンである。その他、クロタミトン軟膏、安息香酸ベンジル配合の軟膏・ローション、γ-BHC軟膏等も使用される場合がある。ステロイド外用薬はかゆみを抑える作用はあるが、免疫抑制作用により症状を悪化させる場合があるため併用は避ける。

■ 前立腺肥大症

病期と症状

(1) 刺激症状期：尿意頻回（特に夜間）、遷延性排尿（尿が出始めるまで時間がかかる）、苒延性排尿（出始めから終了まで時間がかかる）、会陰部不快感、重圧感。残尿はない。

(2) 残尿発生期：残尿（50〜150mL）、頻尿、急性尿閉（飲酒時に充血が加わるために起こる）、尿線細小。

(3) 慢性尿閉期：残尿高度（300mL以上、鈍痛を伴う）、排尿時痛、尿閉、溢流性（奇異性）尿失禁、放置しておくと水腎症や尿毒症になる。

治療

(1) 薬物療法

① 比較的小さな前立腺の場合は、選択的アドレナリンα1受容体遮断薬（α1遮断薬）またはホスホジエステラーゼ-5阻害薬。

② 比較的大きな前立腺の場合は、5α還元酵素阻害剤（抗アンドロゲン薬）。

③ 蓄尿症状が強い場合は、過活動膀胱治療薬（高コリン作動薬とα1遮断薬）。

(2) 外科的治療

　経尿道的前立腺切除術（TUR-P）、ホルミウムレーザー前立腺核出術。

■ 前立腺がん

症状

(1) 初期は無症状。やがて排尿困難、頻尿、血尿。

(2) 会陰部痛、下肢の浮腫、直腸不快感。

治療と看護

(1) 外科的治療：前立腺全摘除術（恥骨後・会陰式）
術後は尿失禁や勃起不全を起こしやすいことを説明する。

(2) ホルモン療法（抗アンドロゲン薬）

(3) 放射線療法

■ パーキンソン病

症状

（1）パーキンソン病の四大徴候

① 振戦：手指では1秒間に4〜8回丸薬をまるめるような動きを呈す。他に下顎・下肢に多い。

② 筋固縮：筋肉がいつも硬く収縮している状態で、患者の腕を伸展・屈曲させると歯車様の抵抗がみられる（歯車現象、鉛管現象）。

③ 無動：動作が緩慢で自発的な動きが少なく、仮面様顔貌や小字症となる。

④ 姿勢反射異常：起立時の前傾姿勢、すくみ足、加速歩行（前方側方の突進現象）、小刻み歩行（腕を振らずに歩く）

（2）不眠、集中力低下、アパシー、抑うつ症状、幻視などの精神症状。

（3）脂漏性皮膚、流涎、便秘、発汗異常、起立性低血圧などの自律神経症状。

■ パーキンソン病の重症度分類

■ 歩行訓練の実際

（1）すくみ足

すくみ足では一歩目が出にくい。床に縞模様を描いたり、目印のテープを貼り、そのテープの線をまたいでみるよう勧めたりして踏み出しのきっかけを作る（線またぎ歩行）。また、メトロノームを使用したり、かけ声をかけたりすることも効果的である。

（2）小刻み歩行

両手を大きく振り、ゆっくり大股で歩くよう指導する。また、歩行時はかかとから足をつくよう勧める。

（3）突進現象

前のめりで倒れないよう注意する。向かい合って手をつなぎ、背筋を伸ばして前を見ながらゆっくりと歩くよう指導する。

■ 保険給付（サービス）の種類

◆居宅サービス・介護予防サービスとは

自宅または住宅型ホームで利用できるサービス

◆地域密着型サービス・地域密着型介護予防サービスとは

その市町村に住所を有する者しか利用できないサービス

◆居宅介護支援・介護予防支援とは

ケアマネジメント（ニーズと社会資源を結び付ける）をすること（ケアプランをたてる）

◆施設サービスとは

介護保険施設（3施設）に入所して受けるサービス