先輩が語る分野別 看護の魅力

先輩が語る分野別 看護の魅力

「どんな看護師になりたいのか」を自分自身に何度も問いかけながら、就職活動を進めていく皆さん。先輩たちも悩みながら自分の理想の看護師像を思い描き、看護師として活躍の舞台に旅立っています。さまざまな分野で活躍している先輩たちに各診療や看護の特徴や魅力、印象に残っている言葉を語ってもらいました。先輩たちの声を参考に、ここからあなたの理想の看護師像を見つけてください。

Interview 7 - 緩和ケア
毎日の看護をやればやるほど、緩和ケアは看護そのものなんだと感じられる分野。

答えは外にではなく、自分たちの中にあった。

 「臨床で看護師を続けるうちに、自分の中でどうしても答えを導き出せなかったのが緩和ケアでした」と語る井上知子さん。それならばと一念発起し、認定看護師の資格取得にチャレンジした。一旦は退職したがその後、緩和ケアの実践の場として再就職をしたのが杏雲堂病院。ここは1882年から東京・御茶ノ水にある急性期病院だ。「大きすぎない病院で、みんなの顔が見える環境で働きたかった」と井上さん。勤務する個室混合病棟にはがん患者さんも多く、緩和ケアの必要性を感じた方には、医師や薬剤師、病棟スタッフたちとのカンファレンスを重ねながらチームで支援している。「患者さんには痛みの症状コントロールを早期に図るだけでなく“やる気スイッチ”を入れてもらいたいんです。痛みがあるとドパミンが流れなくなって、やろうと思ってもできない。痛みを和らげることで、普段の生活の一部を早く取り戻してもらえれば、本人だけでなく、ご家族も充実した時間を過ごせます」。
 看護の実践を通して、緩和ケアの答えを探し求めてきた中で、最近では「毎日の看護をやればやるほど、緩和ケアって看護そのものなんだなと思います。以前は、医師や薬剤師に相談して、何とかならないのかと焦ってばかりでした。答えを外に求めていたんですね。でも今は、答えは自分たちの中にあったんだと気づきました。そう思ったら肩の力が少し抜けた気がします」と笑顔で話す。

“私の存在が大きすぎずみんなが主役に”が理想。

 依頼があれば院内の他病棟へも出向き、痛みを訴える患者さんを目の前にした看護師たちの相談にものっている。「最近は病棟看護師たちの意識も高まってきて、以前アドバイスしたことを主体的に実践してくれています」と後輩たちの成長が嬉しそうだ。認定看護師には、看護現場において『実践・指導・相談』の3つの役割があるが、そのいずれも実践している井上さんには、こんな理想がある。「私の存在が大きすぎないことです。空気みたいな存在でいたい。治療や看護の場面では患者さんが、看護指導の場面では、それを受けて実践した看護師が主役なんです」。
 緩和ケアの看護のポイントとして、その人らしさを支えることとお待たせしないことを心がけている井上さんだが、今の課題は『その人らしさの追求』だと言う。限られた時間の中で、その人らしさを大切にするがあまり、スタイルを変えずにいるのは最終的に本人がつらくなるだけと感じている。時間や症状の変化に伴って、その人らしさのどこを大切にして、何をどう変えたら楽になるのかと、探求の毎日は続いている。そして最後に、『これで良かったんだ』と患者さんもご家族も思えるようにサポートすること。これが緩和ケアの究極の答えなのかもしれない。

井上 知子さん

井上 知子さん

2008年6月入職
8階(個室混合)病棟勤務

心に残るひと言

その方は医師経験があり医療や薬剤の知識をお持ちだったので、はじめはこちらから緩和ケアについて提案しても、ご自分の考えがあるのか、受け入れてもらえませんでした。しかし、なぜこの提案をするのか理由を具体的にお伝えするようにした結果、受け入れていただけるようになりました。ある日、「根拠をもって行われる看護は患者の力になる」と言われ、これまで積み重ねてきたものを認められた気がして、とても嬉しかったです。

1日のスケジュール

8:00
オピオイド申し送り・確認、ケア調整
8:30
食後ケア、点滴準備
9:00
ケア、処置、点滴等
12:00
配膳、食後ケア
13:00
カンファレンス、ミニ勉強会・デスカンファレンス等
14:00
検温、ケア、記録
16:00
夜勤者との業務調整、業務終了
※相談依頼があれば外来・他病棟へのラウンド

佐々木研究所附属 杏雲堂病院

杏雲堂病院

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-8
担当/看護部 梶原洋子
TEL(03)3292-2051(代)
http://www.kyoundo.jp/
e-mail : kango@po.kyoundo.jp


1882年に設立された歴史ある民間病院のひとつ。病床数206床、標榜診療科13科、『医学の進歩に寄与し、医業をもって社会に貢献する』を理念に、常に時代の先駆けとして先進的な治療に取り組んでいる同院には、がん治療をはじめとした高度医療を頼って遠くから多くの患者さんが来院する。看護部は『あたたかく見守るゆとりの看護』を目指しており、患者さんと向き合う時間を取れるようにチームで協力する体制が整っている。

ここの看護に注目!

個室の混合病棟であるため対象となる疾患は、ほぼ全科にわたっている。現在は子宮がん、乳がん、肝がん、食道がん、脳梗塞の患者さんが多い。化学療法、放射線治療を行いながら、場合によっては限られた時間、終末期をその人らしく過ごしていただくために、緩和ケアによる症状コントロールをしながら、ご家族を含めたケアに取り組んでいる。

主要疾患:
ほぼ全科にわたる疾患に対応

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