先輩が語る分野別 看護の魅力

先輩が語る分野別 看護の魅力

「どんな看護師になりたいのか」を自分自身に何度も問いかけながら、就職活動を進めていく皆さん。先輩たちも悩みながら自分の理想の看護師像を思い描き、看護師として活躍の舞台に旅立っています。さまざまな分野で活躍している先輩たちに各診療や看護の特徴や魅力、印象に残っている言葉を語ってもらいました。先輩たちの声を参考に、ここからあなたの理想の看護師像を見つけてください。

Interview 11 - 救命救急看護
迅速な発見や報告、正確なケアと
メンタルケアを同時に提供するER。

重篤な状態の患者さんから、何が受け取れるかを追求。

 東京医科歯科大学医学部附属病院・救命救急センターに勤務する樫村ほなみさんは、「ユニフォームを着ると、仕事のスイッチが入りますね」と語る。ここは東京都文京区の湯島。近くにはJR御茶ノ水、秋葉原、上野など乗降者の多い駅や皇居に近い大手町があり、毎日多くの患者さんが救急車で搬送されてくる。特に昼間の人口が多い都心ならではの患者さんも多く、非日常的な時間が流れているという。「駅での転落事故者や皇居まわりをランニング中に熱中症になる方など、突発的な出来事が起きやすい場所かも知れませんね。多いのは外傷やショック、急病患者さんなど。季節の変わり目には急性薬物中毒の方も多いかな?」。
 今年で3年目を迎えた樫村さんは、小柄ながら活発な印象を受ける。いざという時には瞬時の判断力とパワー溢れる行動力で、一刻を争う危険な状態の患者さんをチーム医療の一員となって助ける。しかし、学生の頃は精神科の看護を希望していたという。今とはまるで分野が違うが、当時の先輩から精神科は一番最後でいいのでは? というアドバイスをもらい、一旦保留にした。その後、「ICU実習の時に受け持った患者さんが目で何かを訴えようとしている姿を見て、非言語でのコミュニケーションの大切さと、そういう時にもメンタルケアが重要なのだということを体験しました。ある意味で精神科看護に通じるものを感じたんです」と言う。一番ハードな状態の患者さんから何が受け取れるかを追求したくなった樫村さんは、そのスキルを磨いてから将来のことをじっくり考える姿勢に切り替えたのだという。

先を予測しながら、医師の判断材料を準備する。

 ERで初療の終わった患者さんは、6階のER-ICUへ運ばれていく。樫村さんたち看護師は、外来(初療)とER-ICUを交代で勤務している。「はじめの頃は、きつかったです(笑)。でも最近はコツのようなもの、例えば先生は検査値のどこを見て判断するのかが、少しずつ分かるようになってきたんです。そうやって先が読めるようになって、予測通りに進んでいく事柄が増えてきたので、楽になったというか仕事が楽しく感じられるようになりました」と、今の仕事に十分な手応えを感じている様子。このように先を読んだ動きをとることで、次の準備ができ、医師や多くのスタッフとのチーム医療がスムーズに進んでいく。チーム内での連携なくして救命医療は成り立たない。
 一方で、急性期の患者さんには、可能な限り早期からリハビリに取り組んでもらっている。「電子カルテ内にROM表という段階を追ったリハビリ運動のための計画表があって、関節を動かしたり、首をひねったりという動作を繰り返し行ってもらいます」。その時にも声をかけ、患者さんの心の声に耳を傾けることは忘れない樫村さんが、大切にしていることは、患者さんの頑張りをねぎらい、励ますこと。以前は年上の患者さんが多い中で、年下の自分からの声かけが果たして通じるのかどうか、疑問に感じていたという。しかし、ある日手術室まで一緒に行った患者さんが、樫村さんのかけた言葉によって「頑張ろう」と思ってくれた姿を見て、その考えが変わった。「年齢じゃないんです。私の励ましに応えてくれようとする患者さんに“ありがたい”と思いました」と素直に微笑む。看護の現場では、年齢や建て前などの壁はなく、1人の人間と人間との関係が大切となる。退院後に再会した患者さんと大変だった時のことを思い出し、思わずもらい泣きすることもあるという。「そういう時に、いい仕事だなってつくづく思います」と樫村さんは、感慨深げに語る。ERやICUという緊迫した時間の流れる部署だからこそ、一瞬一瞬の心のつながりがより一層大切に感じられるのだろう。

樫村 ほなみさん

樫村 ほなみさん

2010年4月入職
ER-ICU(救命救急センター)勤務

心に残るひと言

軽度の認知症がある患者さんが、消化管出血で入院されていた時のこと。入眠前に「寂しい」とナースコールがあり、入眠されるまで手を擦っていた場面で、「あなたにこうして手を擦ってもらうと、お母さんにしてもらった時のことを思い出して何だか嬉しいわ。よく眠れそう」と言ってくださいました。その後朝まで熟眠され、朝に再度お礼を言われました。ここでの2:1看護の良さを改めて実感し、触れ合うことや人の温かさを感じることの重要さを学んだ出来事でした。

病棟での様子

患者さんの詳細な情報は、口頭での申し送りが重要となる。

1日のスケジュール

8:00
全体申し送り
〜8:15
個々の申し送り
〜9:00
患者さんの状態確認、薬剤準備
〜11:00
回診介助、清拭などのケア
11:00
昼食
12:00
昼食介助など
13:00
口腔ケア、手浴・足浴など
14:00
カンファレンス
14:30
処置の介助など、引き続きケアなど
16:00
夜勤への申し送り

東京医科歯科大学 医学部附属病院

東京医科歯科大学医学部附属病院

〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
担当/総務部人事課医学系人事掛
TEL(03)5803-5019(直)
http://www.tmd.ac.jp/medhospital/nsd/


医療の高度化と専門化の先陣に立つ大学病院として、先進医療の実践と研究の役割を担っている。それゆえ医療の安全管理を徹底し、提供する医療の透明性を高め、存在するリスクを含めた情報提供を十分に実施し、患者さん自身が意思決定できる環境を整えている。特定機能病院として広い領域にわたる診療科(31診療科、救命救急センター)と中央診療施設(28部門)などを設置し、日夜病める人々のために全人的医療の提供に努めている。平成19年4月に救命救急センターを開設し、都内でもトップクラスの救急患者搬送(受入)件数を記録している。

ここの看護に注目!

ERではいつ救急で患者さんが運ばれてきても、瞬時に状態を把握し、検査や処置の必要性を先読みして、チーム医療の一員として救命救急に携わること。ICUでは状態のアセスメント、異常の早期発見、早期対処が求められる。モニターだけに頼らず実際の患者さんの表情や身体状態を見る観察力も重要となる。そしてどちらにも危機的状態や重症な状態にある患者さんとそのご家族のメンタルケアは欠かせない。

主要疾患:
外傷、ショック、急性薬物中毒、重症肺炎、敗血症など

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